介護の仕事ってどんなことをするの?なんだか大変そう!肉体労働?お給料も安そうだしな・・・!そんなイメージはありませんか?
介護の魅力・・・それは、「やりがい」。この一言に尽きます。ただ、「やりがい」があるだけでは生活なんて成り立ちません。
現在、日本の人口は約1億2,617万人と言われ、そのうち65歳以上の高齢者は総人口に占める割合の約28.4%%にも当たると言われています。高齢化である要因に関しては、医学の進歩や食べ物の普及などによって、死亡率が低下し高齢者が増加、また、少子化による若年人口の減少によるものであると言われています。
では、日本の高齢社会、超高齢者社会の問題点とは何でしょうか?
それは、医療・福祉の在り方、社会保障制度、財政の問題、人口減少に伴う経済の成長率、また、高齢者の生活の質(QOL)の低下といった課題が挙げられます。
日本が抱える社会問題には「貧困問題」「人材不足」「後継者不足」「待機児童」「介護問題」など様々ありますが、特に「少子高齢化」の問題は関心のある社会課題の上位に当たります。
それだけに「介護職」はこらからの日本社会においてとても需要があります。
今回は、介護職転職におけるスキルアップについてご紹介します。
介護転職でスキルアップをするにはこれを狙え!
介護の業界では、スキルアップするための資格や研修がたくさんあるのはご存じでしょうか。今回はその中でもスキルアップに役立つ資格や研修をお伝え致します。
介護職員初任者研修
介護職をこれからやっていく方、未経験の方、まずは「介護職員初任者研修」の取得がおすすめです。介護に関する基礎的な知識や技術が学べて身につけることができます。
介護職員実務者研修
「介護職員初任者研修」の上位資格になります。
より実践的な知識の修得を目的とした資格になります。また、「痰吸引」や「経管栄養」の処置など医療的ケアの基礎がカリキュラムに含まれています。初任者研修と同様に無資格でも受講できますが、介護知識があることが前提となります。
レクリエーション介護士
レクリエーション介護士はレクリエーションにおける専門的な知識を有し、状況に応じた企画立案、実施ができるようになることを目的とした資格です。レクリエーション介護士は特に通所介護施設(デイサービス)では、必要とされており活躍の場が広がっています。
専門的な資格!スキルアップ間違いなし!
認知症ケア専門士
この資格は私も持っています。認知症に関して大変に勉強になります。また試験に合格した後は、5年後に更新があり、その間にセミナーや研修に参加して単位数を30単位以上取得しなければ更新ができない仕組みになっています。ある意味、常に勉強会やセミナーに参加する意識付けになり常に最新の介護や認知症に関する情報が取得できます。また、いろんな講師の先生ともつながりが持てるので、とってもスキルアップには持ってこいの資格です。
介護福祉士
この資格は私も持っています。介護福祉士には受験条件が設けられており、実務経験3年以上と実務者研修の資格が必要です。40代・50代以降の受験者数も多くチャレンジしており、受験しやすい国家資格だと思います。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
この資格は私も持っています。要介護者や要支援者のケアプランの立案や相談業務、各種手続きの代行を行います。ケアマネジャーになる為には、介護福祉士等の国家試験に関する業務を5年以上、さらに「介護支援専門員実務者研修受講試験」への合格が必要です。試験の合格後は「介護支援専門員実務者研修」を受講し、修了したら介護支援専門員名簿へ登録となり、介護支援専門員証が交付されます。「介護支援実務者研修」では、グループワークを中心に介護支援専門員として必要な知識・技術を習得する目的で全16日間(87時間)のプログラムを前期と後期に分けて開催されます。また、三日間の現場実習があります。ですので、資格を習得後は自信を持ってケアマネジャーとして勤務ができます。
先ほどご紹介させて頂いた資格はごく一部のものです。
介護の業界には、スキルアップするためのたくさんの資格や研修がまだまだあります。
これらの資格を取得することで、介護職の専門的なスキルはもちろんキャリアップに繋がってきます。研修も受けるだけのものもあれば、試験を受け合格して取得するものもあります。
介護職のお仕事とは?
「介護」に対しては、法に定められた定義はありませんが、「介護福祉士」については、
社会福祉士及び介護福祉士法の第2条において「介護福祉士」とは、第四十二条第一項の登録を受け、介護福祉士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもつて、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき心身の状況に応じた介護(喀痰吸引その他のその者が日常生活を営むのに必要な行為であって、医師の指示のもとに行われるもの(厚生労働省令で定めるものに限る。以下「喀痰吸引等」という。)を含む。)
を行い、並びにその者及びその介護者に対して介護に関する指導を行うこと(以下「介護等」という。)を業とする者をいう。とあります。
つまり、介護とは、日常生活に支障がある方に対して、食事・排せつ・入浴・着脱などの身体的な援助のほか、日常生活全般の支援を行います。
一見、なんだか難しそうにも思えるかもしれませんが、先ほども申し上げた通り、「介護」に定義はありませんので、自分自身(介護者)が思いやりを持って高齢者様に接してあげることが一番大切な事だと思います。
介護のお仕事で大切な事とは・・・これがスキルアップへの第一歩!
思いやりを持つこと
高齢者の方々も同じ人間です。気持ちに余裕がないときやご機嫌が悪い時、悲しい気持ちの時、楽しんでいる時、様々な感情があります。高齢者の方々は80年90年と長く人生を歩んでこられた言わば人生の大先輩方であります。高齢者になれば感情のコントロールが難しくなったり、認知症や身体的な障害が多く出現する率が増え、身体的にも精神的にも負担が大きく、感情が不安定になりやすい傾向にあります。そんなとき、介護をして下さる方が優しく話を聞いてくれたり、共感してくれたり、受け入れてくれたりすることで、高齢者様は気持ちが「ホッ」とします。これはとても大事な事です。まずは「思いやり」を持って接することが大切です。
向上心を持つこと
介護の現場では常に変化し続けています。人対人である以上、常に同じということはありません。また、介護保険法は3年に1度改正があります。現状に満足せず、常に向上心を持って介護に関しての最新情報や制度に関しても積極的に取り組んでいくことがスキルアップへの第一歩です。
高齢者(利用者)の尊厳を守ること
「介護」にとって大切なことは、高齢者(利用者)様の生活の質(QOL)を維持していくことにあります。今ある生活をできる限り継続していく為には、様々な支援やサービスを活用してこれまで通りの生活が送れる様に配慮していくことです。そのためには、高齢者様の尊厳を守ることが重要になってきます。では、「尊厳」を守るとは一体どういうことなのでしょうか・・・。
まず初めに自己決定を尊重することです。高齢者様自身の生き方や暮らしの仕方等、これまでも自分で決めてこられました。つい介護をする側(介護者)は自分の先入観や価値観でものごとを判断してしまい、高齢者様の自己決定権を奪ってしまう恐れがあります。そうなると、高齢者様はどんなに良いサービスや支援を受けても、それを望んでいなければ意味がありません。高齢者様本人の自己決定を尊重することが大切です。また残存機能(残っている身体的な機能のこと)の活用です。今できていることを、介護をする側(介護者)は、お世話のつもりや日常的な業務の流れに沿って、つい手出しをしてしまう傾向があります。できていることを高齢者様から奪うという事は、その方の生活の質(QOL)の低下、日常生活動作(ADL)機能の低下を招く恐れがある為、残存機能の活用を尊重することが大切です。
その人(高齢者様)の人格を尊重し、「自分らしく生きること」ここが1番重要です。
スキルアップへの道のり!介護職は今が旬!その訳は・・・!
私は、介護のお仕事をさせて頂き、はや15年以上が経過します。その間に介護福祉士・社会福祉主事・社会福祉士・介護支援専門員・認知症ケア専門士などスキルアップを目指し取り組んできました。冒頭にもお話し致しましたが、介護職は「今が旬」なんです!
その訳は・・・現在も日本の高齢化率はどんどん増加傾向にあります。それは、令和24年(2042年)まで増加し続けてその後はピークを過ぎ、今度は減少傾向に転じていくと推計されています。そして、令和18年(2036年)には、3人に1人は65歳以上の高齢者となっていく時代です。少し時代を先読みするならば、少なくとも10年~15年以上は今以上に高齢者は増え続け、高齢者に携わるお仕事は無くならないという事です。最近では、介護職に対する賃上げの見直しがあり、令和4年からは月額平均9,000円アップさせる制度が創設されました。また、ICTを活用した取り組みも増えてきており、ロボット産業をはじめ、様々な業界が参入してきています。それだけに、注目を浴びている介護職ですが、さらにスキルアップ・キャリアアップを目指すのであれば、資格を取得することをお勧めします。
まとめ
これまで、「介護」の魅力について、そして様々な資格や「スキルアップ」についてお話をさせて頂きました。まだ介護の経験がない方も、これから転職をしようかなと思われる方も介護職には、たくさんの資格があり、スキルアップをするチャンスがあります。経験すればするほど、人間性が磨かれていき、仕事に対しての意欲の向上、人として感謝できる気持ちが持てます。またこのお仕事は人間が老いていく姿を見て今後の自分自身の人生についても考えさせてくれるお仕事です。人間は誰しも老いを重ねて行くものです。しかし、その人生の中で悪いことばかりではなく、人生って本当に面白いな、楽しいなと感じさせてくれるお仕事だと思います。高齢者様にもいろんな方がたくさんいます。それぞれの人生経験を語ってくれたり、いろんなお話が聞けて、介護職って働いてみると思っていた以上にイメージが変わることの方が大きいと思います。80年、90年と長い人生を生き抜いてこられた方が最後にどんな人生を歩むのか。これは介護職に携わった方だけが感じることのできる人生経験です。この記事を読んで少しでも介護に興味を持って頂けたら幸いです。